年々暑さが厳しくなる中、熱中症のリスクはますます高まっています。
特に高齢者や小さなお子さんがいる家庭では、「気づかないうちに熱中症になっていた…」というケースも少なくありません。
温度や湿度だけで判断するのは意外と難しいですよね。
そんなときに役立つのが「熱中症計」。
温度や湿度の数値だけでなく、熱中症の危険度をわかりやすく表示してくれる心強いアイテムです。
最近では、家庭向けから携帯用、オフィス設置タイプまでさまざまな熱中症計が登場しており、ユーザー満足度も非常に高いものばかりです。
この記事では、「家庭用に使いやすいモデル」から「屋外作業でも活躍する携帯タイプ」まで、目的別におすすめの熱中症計をご紹介します。
「どれを選べばいいかわからない」という方も、この記事を読めば最適な1台がきっと見つかります。
早めの対策で、今年の猛暑を安心して乗り切りましょう！
そもそも熱中症計とは？その役割とメリット
温度と湿度だけではわからない“危険ゾーン”を数値化
熱中症計は、温度と湿度から「熱中症の危険度」を可視化してくれる便利なツールです。
人の体は高温多湿の環境にいると汗をかいて体温を下げようとしますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が下がらず危険な状態になります。
つまり「気温が高い＝危険」ではなく、「気温＋湿度」でリスクが決まるのです。
熱中症計は「WBGT（湿球黒球温度）」という指標を基に、気温と湿度、放射熱の3要素から総合的な危険度を導き出します。
例えば、室温が28℃でも湿度が80％を超えると、WBGTはかなり高くなります。
これを「やや危険」や「危険」といったランクで表示する熱中症計なら、数値に弱い人でも直感的に状況を理解できます。
つまり、温度と湿度だけでなく、体への“暑さストレス”を総合的に把握できるのが熱中症計の強みなのです。
屋内でも熱中症は起こる？見落としがちなリスクとは
屋内でも熱中症は十分に起こります。油断せず、室内でも熱中症対策が必要です。
「エアコンがあるから大丈夫」と思っていても、実際はエアコンの設定温度が高すぎたり、風が当たらない場所で過ごしていたりすると、体内に熱がこもってしまいます。
特に高齢者は暑さを感じにくくなるため、自分では気づかないうちに脱水や体温上昇が進んでしまうことがあります。
たとえば、風通しの悪い寝室やキッチンでは、エアコンの効果が届きにくく、湿度がこもる傾向があります。
実際に家庭内熱中症の多くが「リビング以外の場所」で発生しているというデータもあります。
屋内でも熱中症対策は必須です。熱中症計を各部屋に設置し、環境を客観的にチェックすることが命を守る第一歩になります。
家庭・オフィス・学校・工事現場での使用例
熱中症計は、さまざまな場所で熱中症の予防・注意喚起に活躍します。
使用シーンに応じて適切な熱中症計を選べば、暑さに関する“感覚のズレ”を防ぎ、全員の健康管理を平等に行えます。
- 家庭： 子ども部屋や寝室に設置して、親がスマホで見守るケースが増えています。
- オフィス： 密閉されたフロアでは特に、定時的な空気の入れ替えの目安にもなります。
- 学校： 体育の授業や部活動前にWBGTを確認して、活動レベルの判断に役立ちます。
- 建設・工事現場： 携帯型熱中症計を作業着に付けることで、現場単位でのリアルタイムのリスク把握が可能です。
あらゆる環境で“気づき”を与えてくれるのが熱中症計。
使う場所に合わせて最適なモデルを選ぶことで、安心・安全な生活をサポートしてくれます。
熱中症計を選ぶ前に知っておきたい3つのポイント
設置型 or 携帯型？使用シーンで選ぶのがコツ
熱中症計は「設置型」と「携帯型」があり、使う場所や目的に応じて選ぶのが重要です。
家庭やオフィスのように“特定の場所”をモニターしたい場合は、据え置き型の熱中症計が適しています。
一方で、屋外での活動や移動中もチェックしたい人には、クリップやストラップで身につけられる携帯型が便利です。
たとえば、親が高齢の家族を見守る場合は、リビングや寝室に設置して常にWBGT指数を確認できる「卓上型」が安心です。
逆に、現場作業やキャンプ・スポーツ観戦など、頻繁に屋外に出る方には「携帯型熱中症指数計」がおすすめです。
どこで誰が使うのかを明確にしてから選ぶことで、熱中症対策の効果は何倍にも高まります。
表示形式｜数値・LED・音声などの違い
熱中症計の「表示方法」も重要な選定ポイントです。
直感的にわかるタイプが便利です。
表示形式には、数値のみを表示するタイプ、LEDで注意レベルを色分けするタイプ、アラームや音声で警告するタイプなど、さまざまなバリエーションがあります。
使用者の年齢や使う環境によって、見やすさ・聞きやすさが大きく異なります。
たとえば、高齢者や子どもが使用する場合は「色で危険度がわかるLED表示」や「音声でアラートが鳴る」タイプが安心です。
一方、オフィスや静かな場所では、シンプルなデジタル数値のみのタイプの方がスマートに使えます。
表示形式は“誰が見るか”を想像して選びましょう。
わかりやすさは命を守るカギです。
温湿度以外に“WBGT”がわかると便利な理由
熱中症計を選ぶ際は、「WBGT（暑さ指数）」が表示されるタイプを選ぶのがおすすめです。
WBGTとは、湿度・気温・輻射熱（ふくしゃねつ＝周囲の熱）の3要素から計算された“暑さの総合指標”です。
日本体育協会や環境省も、熱中症対策にはWBGTを基準にすることを推奨しています。
たとえば、気温が27℃でも、湿度が80％で日差しが強い場所ではWBGT値が高くなり、熱中症のリスクが一気に上昇します。
WBGT表示がある熱中症計なら、その危険度を「注意」「警戒」「危険」などのレベルで即座に知らせてくれます。
“温度だけ”では判断できない時代。
命を守る指標として、WBGT付きの熱中症計は今や必須アイテムです。
【目的別】おすすめ熱中症計7選
① 家庭用｜子どもや高齢者のいる家庭に最適なモデル
家族の安心を守るなら、「WBGT表示あり＋アラート付き」の設置型が最適です。
高齢者や小さなお子さんは、暑さに対して鈍感になりがち。
自覚がなくても危険な状態に陥ることがあります。
室内に設置して「今が危険なのか」を音や表示で知らせてくれる熱中症計は、ご家族全員にとって心強い存在です。
📌 タニタ 熱中症指数計 TC-210
- WBGT、温度、湿度を表示
- 表情マークでわかりやすい警告
- 音と色で注意喚起（子どもや高齢者にも見やすい）
リビングや寝室に1台あるだけで、家族の健康管理がぐっと安心になります。
② 携帯用｜登山・アウトドアに便利なポータブル型
アウトドア派や通勤・外出が多い人には、軽量で持ち運びやすいタイプがおすすめです。
熱中症のリスクは“外出先”でこそ高まります。
スマホのようにポケットに入るサイズで、ストラップやキーホルダー付きなら邪魔にもなりません。
📌 ドリテック ポータブル温湿度計
- 手のひらサイズ
- LEDランプで危険度を即通知
- 電池式でいつでも使える
「暑い」と感じた瞬間に危険度を確認できる携帯型は、夏の必需品です。
③ 職場用｜作業現場や工場で使える高耐久モデル
現場作業がある場所では、丈夫で正確な業務用モデルを選ぶことが重要です。
工場や建設現場では、直射日光・粉塵・高温にさらされるため、一般家庭用の機器では壊れやすい可能性があります。
また、複数人で共有する場合もあるため、視認性や音量にも配慮すべきです。
📌 カスタム HI-302BB 熱中症指数計
- JIS規格準拠の高精度センサー
- 大型表示＋警告ブザー
- 三脚設置可で屋外使用に便利
従業員の安全管理の一環として、信頼性の高い熱中症計を現場に設置しましょう。
④ スマホ連携型｜IoTでデータを管理したい人向け
スマホやPCでリアルタイムに環境データを確認したいなら、IoT対応モデルが最適です。
外出中でも室内の環境をスマホで確認できたり、過去のデータをグラフ化して分析できる点は、非常に便利です。
離れて暮らす家族の見守りにも活用できます。
📌 Netatmo スマート屋内気候モニター
- スマホアプリ連携
- 温度・湿度・CO₂濃度を測定
- プッシュ通知で異常を知らせてくれる
「見える化」＋「記録」ができるIoT熱中症計で、一歩進んだ予防管理を。
⑤ 音声アラーム付き｜視覚障害や高齢者への配慮に
視認性に不安がある方には、音声で危険を知らせてくれるモデルが安心です。
目が悪い方や高齢者の場合、画面やLEDだけでは気づかないこともあります。
音声で「危険レベルです」と知らせてくれるタイプなら、すぐに対応が可能になります。
📌 タニタ 熱中症予防計付き時計 TT-580
- 「熱中症警戒レベル」の音声案内
- 時計・カレンダー機能付きで実用性◎
- 置き型／壁掛け両対応
聴覚からの情報が加わることで、熱中症予防の精度は格段に上がります。
⑥ 室内インテリア型｜リビングにもなじむおしゃれモデル
見た目にもこだわりたい方は、インテリアになじむデザイン性重視のモデルを。
毎日目にするものだからこそ、デザインも大切。数字の羅列ではなく、シンプルな色分け表示や表情マークなど、親しみやすい機能が魅力です。
📌 ドリテック 熱中症・風邪注意計 O-230
- シンプルで丸みのあるデザイン
- 顔マークでリスクがひと目でわかる
- カラーバリエーションが豊富
“オシャレに見せながら健康管理”ができるアイテムとして、ギフトにも人気です。
⑦ 学校・保育園向け｜一目で危険度がわかる大型タイプ
集団の安全を守るには、大型で視認性に優れた熱中症計が効果的です。
多くの子どもやスタッフが行き交う学校や保育施設では、「誰でもすぐにわかる表示」が求められます。
大型液晶・音声・ランプなど、複数の情報伝達手段があると安心です。
📌 エー・アンド・デイ AD-5695
- 大型表示で遠くからでも見やすい
- WBGT値の変化で自動的にアラーム発報
- 校庭・体育館での使用にも耐える設計
“気づいたときには遅い”を防ぐために、集団環境では視認性が命を守ります。
熱中症計を最大限に活用するコツ
定期的な設置場所の見直し
熱中症計は“置きっぱなし”にせず、定期的に設置場所を見直すことで精度と効果が高まります。
熱のこもり方は部屋の構造や時間帯によって変化します。
風通しの良い場所やエアコンの風が直接当たる場所では正確な数値が出にくく、誤った判断をしてしまう恐れもあります。
たとえば、午前中は涼しかったリビングが午後になると西日で急激に暑くなる、寝室は夜間に湿度が急上昇する…といったケースも。
そういった“時間帯ごとの変化”に気づくには、日々の観察と設置位置の見直しが有効です。
熱中症計は置く場所次第で効果が変わるアイテム。
部屋ごとの環境特性を考慮して、こまめに調整しましょう。
アラート機能を設定して自動で気づく仕組みを
アラーム・音声・LEDなどの通知機能を活用すれば、うっかり熱中症の危険に気づかないリスクを大幅に減らせます。
多くの熱中症は“気づかないうちに”進行するのが特徴です。
WBGTが「警戒」以上になったときに音や光で知らせてくれる機能があれば、常に熱中症の危険に意識を向けることができます。
たとえば、子どもが遊んでいて気づかない場合や、仕事に集中しているときなど、環境の変化に気づけないタイミングでアラートが鳴ることで対処が可能に。
「水分をとる」「エアコンを入れる」といった行動にすぐつながります。
熱中症計の真価は“予防のきっかけ”を与えること。
通知機能を最大限に活かしましょう。
家族や同僚と“熱中症対策ルール”を共有しよう
熱中症対策は、個人任せではなく“チーム全体”で意識共有することが大切です。
せっかく熱中症計を導入しても、それをチェックする人が1人だけだと対応が遅れる可能性があります。
家族や職場のメンバーと、「WBGTが〇〇になったら休憩」などのルールを決めておくと安心です。
たとえば、保育園では「警戒レベル以上で外遊び中止」、オフィスでは「28℃超えたら15分に1回水分補給」といった共通ルールがあると、誰もがすぐに行動に移せます。
家族内でも「この表示になったら声をかけ合おう」と決めておくと効果的です。
熱中症対策は“みんなで守る安全”。
熱中症計はそのための「合図」として活用しましょう。
まとめ｜熱中症計は“命を守る生活家電”
暑さはもう“感覚”では測れない時代
猛暑が常態化した今、熱中症の危険は“体感”では予測できない時代になっています。
「まだいける」「涼しく感じる」など、感覚に頼った判断では間に合わないケースが増えています。
特に高齢者や子どもは、暑さに対する感覚が鈍いことも多く、知らず知らずのうちに危険な状態に陥るケースも。
環境省の調査でも、家庭内での熱中症発症率が高いという結果が出ています。
つまり、“見えないリスク”こそが最大の敵であり、それを見える化するのが熱中症計なのです。
「暑さの見える化」は命を守る第一歩です。
感覚ではなく“データ”で判断する意識が大切。
早めの導入で安心・安全な夏を過ごそう
熱中症計は、家族や職場、学校などの「安心」をつくるための投資です。
数千円で手に入る機器が、あなたや大切な人の命を守るきっかけになります。
しかも、多くの熱中症計は温湿度管理にも役立ち、エアコンの使い方や水分補給のタイミングを最適化するサポートもしてくれます。
- 家族でWBGTを見て「そろそろ水飲もうか」が日常になる
- 職場で“休憩の目安”が可視化され、働く人の健康管理が徹底される
- 学校や保育園で「数値による判断」が保護者との信頼関係を築く
今年の夏を無事に乗り切るために。
熱中症計は“あってよかった”と必ず思えるアイテムです。